建築資材と廃棄物
<建築資材と廃棄物>
 住宅性能表示という制度がスタートしましたが、問題にしなければならないことが
抜けています。それは使用寿命がつきて廃棄されるときの処理方法難易度が
表示されないことです。
使う時にはホルムアルデヒドや強度・劣化のことは評価されているのに、
最後が抜けているのです。
 ハイスメーカーにおいても同じです。すき間のない点や熱ロスが少ないなどの
売るための評価は親切なくらい表示されているのに処分しようとするときに
役立つような情報はどこを見てもありません。
住宅はサイクルが長いので必ずしも作った業者・メーカーが解体するときまで
面倒みられるとは限りません。町の工務店やFCの業者だって同じです。
解体時には、ほとんどが建て主の責任で壊されます。環境問題が
さけられなくなってきた時代にこんなことが配慮されていない業界も
珍しいです。

<住宅をゴミとして考える>
 住宅を解体時のことまで考えるというのはいままであまり問題になって
来ませんでした。
ここ数年前までの解体される住宅というのは、建築された時代の使用部材
というものが自然界のなかで手にはいるものがほとんどだったから処理する
ときも問題になりませんでした。
ところが東京オリンピック以降あたりから旺盛な住宅需要をまかなうために
いろいろな建材が開発されはじめ、その時代の建物の更新時期になり問題が
出はじめてきました。
 そしてこれからがこの時代に建築された建物が次々に解体されることになります。
いまは現場サイドで早く撤去するという目的からミンチ解体(機械でバリバリ一気につぶしてしまう方法)
がとられているが、この方法だと処理費が高くつくことがだんだんとわかってきました。
というのは最初にバリバリ早く壊しても、中間処理場に搬入してからが手作業でやらなくては
ならなくなるために最初からきちんと分別してしまった方が効率が良いのです。
しかも一度機械でミンチにしてしまったものを手で処理する方がはるかに分別が
むずかしく、最初から造った通りに逆解体して分別したほうがはるかにリサイクルの率も
高くなってくるのです。
ただこの処理方法でも問題は残ってきます。
使われている部材が複合的にいろんなものがくっついているとそれを分離しなければ
それぞれ処理方法が違うから予想外の手間がかかってしまうのです。
すべて共通することは使うときのことだけを考えていてはダメだということです。

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