<木材はホントに高いのか> 洗濯竿の売り文句に「20年前のお値段です」というのがありますが、 木材は「それ以上前のお値段です」と言った方が正しいです。 野菜と比べてみてもその安さはずば抜けています。 半年たらずで出来る大根、方や30年、50年かけてやっと出来た角材。 野菜は60cmぐらいで200円位、木材は同じ長さあたりの金額は 250円ですが成長期間を考えればたった4円ちょっとにしかなりません。 林業家の声は市場価格からさかのぼっていくと山につくまでに丸太代も なくなってしまうそうです。 こんな状態ですから.山の手入れなどとてもとても出来るものではないのです。 いまの家造りで一番誤解されているのが「木は高い」なのです。 ところが係数的にみてみると、昔より今の方が使われている木材金額と 言うのは小さいのです。 昔は木材3分の1、大工さん手間3分の1、残りが左官とか基礎・水回りと 言ったところが標準でした。 ところが今は全建設備の5分の1程度しかありません。 2500万円の住宅でも500万円くらいしか木材代ってないんです。 それでは何が増えているか。一番は水回り設備です。 サッシ・外壁にかける金額、つぎに壁(クロス費用)、基礎なども一時的よりは ベタ打ちなどが増えたため費用のアップになっています。 それでも皆さん「木は高い」と思っているのです。 <木は本当に高いのかA> 皆さんは内装についてはビニールクロス張りが一番安いと思っています。 ところが木材でも「もっと安いもの」はあるのです。 木には幹の下の部分と、枝が多く出ている部分があります。 幹下部分がいわゆるプロの言ういい材木の部分、つまり高いと言われる 部分なのです。 上部は枝があるから製材すれば当然節が出てきます。 この節のある部分は全体の8割を占めます。 これらは今までは勝手に価値のないものと決めつけられて敬遠されてきました。 でも木の性質は同じです。 値段も石膏ボード+ビニールクロスだと坪当たり6000円くらいしますが、同じ 厚みの木材(杉・節あり)は4500円位で買えるものがあります。 8畳の部屋だと壁・天井で15坪位使う計算になり、材料費で22,500円安くなります。 ただ大工さんの手間が2人工(二日分の工賃)位アップしますから、ほんの すこし全体としては高くなります。 しかし価値観からいえば板張りの方が遥かに良いと思います。 <急に育ってはくれない木材> 日本は敗戦から一斉に立ち上がったために、住宅についても「皆がやるときが 自分のやるとき」になってしまい、わーっと木材に群がってしまいました。 木材も自由経済の中での取引ですから買い手が多ければ当然値段も 上がっていきます。 野菜なら一年待てばつぎの作が出来ますが木材はそうはいきません。 昭和48年前後の木材急騰がそれでした。 日本は戦争でほとんどのものになる丸太を切り倒してしまいましたから、戦後 植林した山林年齢は当時二十数年しか経っておらず製品にするには 役不足だったのです。 米と同じように木材も政治のかけひきに使われました。 この辺からが日本が世界から木材を買いあさりはじめていったのです。 日本の山林事情と外国のそれはかなり違います。 同じ大きさのものを比べると船賃をかけても外国から持ってきた方が 安く、コストダウンを計ろうとする人にとっては好都合でかなりの量が 外国産物へと移っていってしまいました。 国内の林業事情というのは外国のように機械などが使いにくい傾斜地が 多いのでどうしても搬出経費がかかってしまいます。 結局選ばれなかった国産材は値が下がり山林家は丸太代も出ないという ことになり、山の手入れもままならず放置されっぱなしになりました。 植林された人工林というものは手入れされなければ密集して日が差さなく なってしまい、風も入らないくらい窒息してしまい、地肌に下草がはえません。 そこに雨が降ると保水力がなく表土が流れ出し、次第におおきな山崩れに なってしまいます。 こんな山林事情の中で、放っておかれた立ち木が伐採適齢期をすぎてしまい どうしようかと別の悩みが出てきています。 <建て主さんの大きな誤解A> いまや省エネという言葉はタコができるくらい聞きます。 建設省や通産省でも声高々にさけんでいます。 次世代住宅省エネ基準でも北は北海道から南は沖縄まで サクラ前線のごとく日本地図に曲線が描かれているのです。 第一地区、第二地区、第三地区と延々沖縄までいくのです。 でもよく考えてみて下さい。 省エネとは断熱材を入れることだけなのでしょうか。 木材だって使い方でりっぱな断熱材になるのです。 |
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